ゲーム・オブ・スローンズってどういう話だ(ネタバレ無し)

 ゲーム・オブ・スローンズ、観たか?観たのか?えっ、観てないのか。なぜだ、どうして、昨日あれほど薦めたにも関わらず…………

 

 

 なるほど…どういう系の話かわからないからためらっているのか。そういえば前回の記事では観ろ観ろ言うだけで、肝心の中身や大体どういうジャンルかについてすら触れていなかった。

 まず、この物語は中世ヨーロッパの歴史をモデルにしたファンタジーだ。舞台は架空の世界なのだが、王とか貴族とか騎士とか封建制度とか都市国家とか宗教とか色々現実っぽい要素がいっぱいある。指輪物語をもっと埃っぽく汚らしくした感じの世界観だ。エルフは出ないがドワーフは出る。歴史とファンタジーが好きなら観て損はしない。

 壮大な人間ドラマでもある。群像劇だ。まず1話から登場人物がめちゃくちゃに多い。そのめちゃくちゃに多い登場人物たちがめちゃくちゃに離れた場所で各自めちゃくちゃな事をするので頭が混乱するが、落ち着いて整理すればちゃんと相互に関連付けられた一本の太いストーリーになっていることがわかり、脳内麻薬物質がドバドバ出る。人間関係が好きなら観て損はしない。

 社会派ドラマでもある。剣と魔法の世界、興味無し……いや待ってほしい、このドラマには我々が今日直面している様々な社会問題を浮き彫りにする仕掛けが巧妙に織り交ぜられているのだ。思想の対立、民族の対立、貧富の差、戦争、倫理…そういった問題は我々の世界にずっと昔から存在してきたし、ゲーム・オブ・スローンズの世界にもある。魔物と蛮族の侵入を阻むために建設された巨大な<壁>、貧民を寄せ付けない王宮の城壁、立ち並ぶ兵士の槍と盾はその象徴だ。人間の心の問題もある。善悪が切り分けられることはない。何が善で何が悪か?正しい事とは?誰にもわからない、全員が悩んでいる。ストーリーを追っていくうちに、あなたも一緒に悩むことになる。社会問題について考えるのが好きなら観て損はしない。

 あと、ほぼ毎回R-15の過激なシーンが入る。前回ちょっと言及した人を選ぶドラマだというのはこれがあるせいだ。上でも書いたが、これは人間の綺麗な部分だけ切り取って見せてくれるお気楽な作品ではない。暴力、肉欲、権力闘争、その他ありとあらゆる人間の恥部が容赦なく晒される。そういうのが駄目な人には残念ながらおすすめできない。気を抜くとすぐ画面が肌色になったり臓物まみれになったりウンチが飛んできたりする……………ウンチ?ウンチ、見たんです、本当に……空飛ぶウンチが……民に警告を………

 

 次はゲーム・オブ・スローンズの世界の基本設定について、本編で解説をすっ飛ばされる部分について書くつもりでいる。たぶん長くなる。今日はもう疲れた。実家の犬に会いたい。