ゲーム・オブ・スローンズの世界観3(ネタバレ無し)

 今回はウェスタロスの歴史の最後の1%、ドラマ第1話から約400年前~20年前に起こった事について書く。ようやく終わり(始まり?)が見えてきたぞ。

 

ヴァリリアの<破滅>

 だいたい400年くらい前、エッソスの大部分を支配していたヴァリリア永世自由領は、突如として<破滅>を迎えた。火山の噴火か魔法で自爆したか何かが原因で、国の中枢が物理的に吹っ飛んだようだ。壮麗な都は呪われた廃墟となり、大地は引き裂かれ、山々は火を噴き、<煙立つ海>に沈んだ。空を飛ぶ竜たちでさえも、破滅の炎には抗えなかったという。こわ。

 そうそう、ヴァリリア人は人間の奴隷だけでなく、古代の魔法の力で竜をも従えていた。翼があって口から火をブワーする恐るべき獣…。ヴァリリアのドラゴンライダーたちはエッソスのあちこちを飛び回り、気に食わないやつらを焼き殺すか、奴隷にして、ヴァリリア人の治める都市を建設した。炎と血の上に築かれた帝国が崩壊した後、これらの都市は独立して、エッソスの自由九都市となった。正確に言うとヴァリリアの娘都市は九つではなく八つで、残りの一つはヴァリリアの逃亡奴隷が密かに集まって作った街なのだが…そのへんはエッソス回で書く。

征服王エイゴン1世と3頭のドラゴン

 <破滅>の後、ウェスタロスの東に浮かぶドラゴンストーン島に居を構えていたヴァリリア貴族、ターガリエン家のエイゴン公は、一生そこに座って没落を嘆くでも、エッソスに帰って同胞の生き残りと暮らすでもなく、ウェスタロスに渡って自分たちの国を新しく作ることを決める。兵の数で勝てる見込みは全然なかったが、エイゴンの元には破滅を免れたドラゴンが3頭もいたのだ。エイゴンと彼の二人の姉妹はそれぞれドラゴンに乗り、ウェスタロスに上陸した。この上陸地点がキングズ・ランディングだ。

 この突然のドラゴン襲来に、ウェスタロスの王たちは当然抵抗した。抵抗したのだが…一瞬で負けた。びっくりするくらいボロカスに負けた。ドラゴンが強すぎたのだ。あっという間に七王国のうち六つが膝を屈し、エイゴンに臣従を誓った。ドーンは最後まで抵抗したが、政略結婚によって懐柔され、ターガリエンに降った。こうして、七王国の王はただひとりになったのである。

 ちなみに、元・王たちはおおむね領地を安堵され、キングではなくウォーデン(総督)とかロード(公)、プリンス(大公)として各自そのまま統治を続けることを許された。宗教も伝統も変えなくていいことにしてもらった。奴隷制もなし。エイゴンお前政治うまいな。

 3頭のドラゴンの子孫はキングズ・ランディングの<竜舎>でいっぱい増えたが、征服からしばらく後に起こったターガリエン王家の内輪揉め<双竜の舞踏>に巻き込まれ、なんと絶滅してしまった。どうしてそこまで。まあ…ドラゴンがいなくても婚姻とか人質交換で反乱は防げるし…いやでも…うーん…。

ロバート・バラシオンの反乱

 反乱、起こってしまいましたね…。本編から20年前くらいのことだ。当時の王、ターガリエン家のエイリス狂王はあだ名の通り気が狂っていて、ダメダメな治世をやっていた。そこに、長男で跡継ぎのレイガー王子が誘拐事件を起こすという不祥事が重なる。関係者はエイリスとレイガーに抗議したが、エイリスは狂っていたので抗議した人たちを捕まえてバンバン殺した。この状況に耐えかねたストームランドのバラシオン家がついに兵を挙げ、その親戚と、事件の被害者と、その親戚と、その仲間たちと、その親戚と…反乱勢力は雪だるま式に膨れ上がった。最初はまだごめんなさいでギリギリ済むかもしれなかった話が、七王国を二分する大戦争に発展してしまったのだ。

 結果はバラシオン派の勝ちだ。ターガリエン家とその支持者たちはこてんぱんに叩き潰され、反乱を主導したバラシオン家のロバート公が王位を継いだ。一部のターガリエン派は命からがらエッソスへ逃亡したが、スパイと刺客をわんさか差し向けられて、二度とお天道様の下を堂々と歩ける生活には戻れなくなった。ゲーム・オブ・スローンズ、完……………

 

 

 

 ………え?まだ何かあるんですか?やっと終わったと思ったのに?この後の時代を描く全8シーズンのドラマ?それいる?逆に?

 

 

 

 今日はもう疲れた。目を開けた瞬間に疲れた。生活習慣と体調の乱れを感じる。モフモフの犬を吸引したい。おわり。