ゲーム・オブ・スローンズの多すぎる固有名詞と戦う(ネタバレ無し)

  解説はお休みです。

 

 ところで、私がこんなわけわかめな設定の羅列に執心しているのはなにゆえか?どうしようもない設定厨のおたくだから…というだけではない。これからドラマを観ようというあなたにも関係がある。

 ファンタジーやSFの作品では、世界観に奥行きを出すため、その世界の文脈でしか通じない架空の故事や固有名詞、物語の中の物語、そういったものがチラ見せされることがある。たとえば、ハリー・ポッターのシリーズには『穢れた血』という表現が出てきた。魔法界における最低の差別用語だ。マルフォイが「この穢れた血め!」と口にするのを聞いてハーマイオニーは泣きロンは激怒するが、ポッターだけポカンとしていたな。ポッターは一般マグル家庭で育ったので魔法使い特有の言い回しなんか全然わからん。それで一人だけ展開についていけなかったのだ。あなたはいまゲーム・オブ・スローンズにおいて、このポッターの立場にある。

 ローリング先生は親切なので読者にもちゃんとわかるように説明してくれるが、マーティン先生は厳しいので面倒な説明パートはポンポンすっ飛ばされる。ファンタジーのおたくはこの類の手法に慣れ親しんでいるから、「あ~コレはそういうアレだな、今は意味わからんけど話の流れでそのうちわかるから大丈夫なやつだな、たぶん…」と適当に流して先に進むことができるのだが、おたくではないあなたにはまだ免疫がない。あなたは5秒に1回ペースでお出しされる<>付きの固有名詞や謎のカタカナ語に混乱し、「え?何?全然知らないけどもしかして重要なの?わからない、怖い、ちょっとググるか…」とインターネットを閲覧し、重大なネタバレ文字列を目撃し、まだわからなくていいことまで全部わかってしまい、次のエピソードを視聴する気力を失う…………なんという悲劇。

 私がネタバレ無しの設定解説にこだわるのは、私自身がドラマ初視聴時にこの罠に引っかかり、衝撃の展開が全然衝撃じゃなくなってしまった経験が何度もあったからだ。一時停止してウィキペディアとか見るな。同じ轍を踏むな。私がここに安全安心なやつを書いておくから。

「このお節介野郎が…こんなん最初に載せておくべき記事だっただろうが…真っ白な状態で純粋に楽しませろ…」本当にすみませんでした…本当に…調子に乗っていた…頼む…許して…